呼び戻しの教え方:どんなときでも戻ってくる「おいで」を育てる

砂浜を跳ねるように飼い主のもとへ駆け戻るイングリッシュ・スプリンガー・スパニエル
この記事のイメージとしてAIで生成した画像です。

呼んだ瞬間にくるりと向きを変え、まっすぐ戻ってくる。この確実な呼び戻しは、犬に教えられることの中でいちばん役に立つスキルかもしれません。

安全に自由を与えられるようになりますし、いざというときに愛犬を危険から遠ざけてくれるのも、このスキルです。

うれしいことに、呼び戻しはとても教えやすいものです。やっかいなのは、人が知らないうちに壊してしまうことがいちばん多いスキルでもある、ということです。

呼び戻しが崩れる理由

「おいで」を知っているはずなのに、公園では無視される。そう感じているのはあなただけではありませんし、愛犬が頑固なわけでもありません。

呼び戻しが壊れる理由は、たいてい次のどれかです。

  • 言葉が「汚染」されている。 「おいで」が、犬のきらいなことを予告し続けてきたなら——遊びの終わり、シャンプー、リードにつながれること、叱られること——その言葉自体が「楽しい時間の終わり」という意味になります。犬は足で意思表示します。
  • 難しい場面でしか練習していない。 猫がいて、よその犬がいて、面白いにおいだらけの場所で初めて呼ぶのは、教習を1回も受けずに試験を受けるようなものです。
  • 戻ってくる価値がなかった。 戻ってきて頭をひとなでされるだけなのに、あちらには全身がしびれるほど楽しいものがある。それでは、あちらが勝ちます。呼び戻しは環境と競争していて、環境はたいていとても魅力的なのです。

この3つを直せば、問題のほとんどは消えます。以下のルールは、まさにそこを狙っています。

呼び戻しの黄金ルール

どんなテクニックよりも、こちらのほうが大事です。ここが合っていれば、トレーニングはほとんど勝手に進みます。

  • 戻ってきたら、必ず得をする。毎回。 おやつ、遊び、ほめ言葉、またにおいをかぎに行っていい自由。とくに最初のうちは、とんでもなく価値のあるものにしてください。ここでケチってはいけません。
  • きらいなことのために呼ばない。 クレートに入れる、爪を切る、公園から帰る。そういうときは自分から迎えに行くか、別の何気ない言葉を使いましょう。呼び戻しの言葉を守ってください。
  • 遅れて戻ってきた犬を、絶対に叱らない。 やっと着いたときにあなたが不機嫌なら、「あなたのところへ行くのは危険だ」と教えたことになります。どれだけ時間がかかっても、戻ってきたことにごほうびを。
  • 合図を連呼しない。 「おいで…おいで…おいで…おいで!」は、その言葉が背景の雑音だと教えてしまいます。1回だけ言って、あとは成功できるように手伝いましょう。
  • 勝てる難しさに設定する。 いまの段階が簡単になってから、次へ。成功の積み重ねが、「戻るのはいい考えだ」と期待する犬をつくります。

呼び戻しの言葉を決めて、意味を仕込む

呼び戻しにしか使わない、はっきり聞き分けられる言葉か音を選びます。「おいで」「こい」、あるいはホイッスルでもかまいません。いま使っている言葉がもう汚染されているなら、新しい言葉でまっさらに始めましょう。

何かを要求する前に、まず数日かけて、「その言葉は最高のことが起きる合図だ」とだけ教えます。言葉を言って、すぐに極上のおやつ。言葉、おやつ。言葉、おやつ。静かな部屋で10回ずつ、1日に数セット。

この段階では、犬に何もさせません。音そのものに対する、自動的でうれしい反応を育てているのです。

段階を追って積み上げる

言葉がいいことの予告になったら、距離と気の散る要素を足していきます。ただし、一度にひとつだけ。おおよその進み方はこうです。

段階場所距離と刺激ゴール
1家の静かな部屋数歩、刺激なし毎回、振り向いておやつに来る
2家じゅう・庭部屋の端から、そして見えない場所から別の部屋から、軽い刺激を越えて来る
3庭や静かな屋外5〜10m、日常の刺激においかぎや軽い興味から離れて来る
4ロングリード、静かな公園10〜20m、実際の刺激人や落ち着いた犬、においを越えて来る
5ロングリード、にぎやかな場所さらに長い距離、強い刺激ノーリードを任せる前に、確実に来る

大事な考え方は、段階を飛ばさないこと。そして、うまくいかなくなったらひとつ戻ることです。段階4で無視されたのは失敗ではありません。その子の「いまの限界」が見つかっただけで、段階3をもっと重ねればいいのです。

ロングリードを安全網に

ロングリード(5〜10mのリード。伸縮リードではありません)は、庭と本当のノーリードのあいだをつなぐ橋です。

犬には自由な感覚を与えながら、走り去って自分でごほうびを得ることは絶対にできない。つまり、すべての呼び戻しが成功する状態がつくれます。地面を引きずらせておいて、必要なときだけそっと誘導します。決して引っぱらないでください。

呼び戻しが育つ遊び

呼び戻しは、服従の訓練としてやるより、犬が大好きな遊びにしたほうがずっと定着します。

  • ピンポン呼び戻し。 2人で、交互に犬を呼び合って往復させ、着くたびにごほうび。テンポがよくて楽しく、簡単な成功をたくさん積めます。
  • かくれんぼ。 安全な場所で、木やドアの陰にさっと隠れて1回だけ呼びます。「見つけた!」が小さな喜びになり、飼い主の位置を気にする習慣も育ちます。
  • 逆に走る。 犬がこちらへ向かってきたら、数歩うしろ向きに小走りしてみましょう。犬は動くものを追うのが大好きなので、呼び戻しが「やりたい遊び」に変わります。
  • たまに大当たり。 とくに速く戻ってきたときは、「ジャックポット」を。おやつを一粒ずつ何回も続けて渡す、あるいは大好きなおもちゃを出す。ときどきの大当たりが、行動全体を強く保ちます。

知らないうちに呼び戻しを壊す失敗

  • 楽しい時間を終わらせるためだけに呼ぶ。 公園で呼ぶのがリードをつけて帰るときだけなら、犬はすぐにそのパターンを覚えます。遊んでいる最中にもこまめに呼び戻して、ごほうびをあげて、また自由にしてあげましょう。
  • 着いたとたんに首輪へ手を伸ばす。 手の届かないぎりぎりで止まることを覚える犬は多いです。まずごほうび。そして「手にタッチ」や首輪を持たれることを、それ自体ごほうびのある練習として教えます。
  • ノーリードに移すのが早すぎる。 ノーリードの自由は最後に手に入れるもので、最初から前提にするものではありません。迷ったら、あと数週間ロングリードを続けてください。
  • 必要なときにしか練習しない。 呼び戻しの9割は、何もかかっていない簡単な練習で、しっかりごほうびが出るものであるべきです。そうしてこそ、いざというときの呼び戻しが、分厚い良い実績から引き出せます。

安全のために その場所で本当に確実になるまでは、ロングリードをつけたままにしてください。庭でできる呼び戻しが、道路のそばや動物のいる場所でそのまま通用するとはかぎりません。そして、失敗がいちばん重い結果になるのは、まさにそういう場所です。確実さを先につくって、それから信頼しましょう。

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呼び戻しは、小さな積み重ねが効いてくることのいい例です。1日数分、明るく集中した練習を正しい順番で重ねるだけで、何があっても走って戻ってくる犬になります。Ruffyアプリには、まさにこの流れをたどる、力に頼らないステップ式の呼び戻しトレーニングが入っています。「言葉=おやつ」の最初の1回から、現実の刺激の中での練習まで。ほかの基礎スキルも一緒に。

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